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ソファをお届けし7年目に、H様のご自宅を訪れました。 ご愛用いただいているのは、ヌメ革のLIMA(リマ)ソファです。 日頃しっかりとご使用いただいているおかげで、ヌメ革の経年変化が見受けられます。 お届け直後は、白に近いベージュ色でしたが、使い込むうちに濃いキャメルやブラウンへと変化しました。
肌が触れる部分は、濃い飴色に変化する
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肌がよく触れる部分は色が濃くなったように見えます。座面の上は手をついたり、膝の裏が当たる場所なので、皮脂が付着し、この様に他より色が大きく変化します。部活から帰ってきたお子さんが、この場所で良く寛いでいるそうです。
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定期的にメンテナンスオイルでお手入れをしてもらっているので、革の状態は非常に良いです。一部近くで見ると革の表面部分が裂けそうになっている箇所もありました。そこから裂けて来る可能性がありますので、その箇所のみ少し多めにオイルを塗っていきます。
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肘の上や背もたれの上も、7年でしっかり濃い色になりました。ソファでリラックスする時に枕として使用したり、立ち上がったりする時に手を付いている、そんな様子が伺えました。
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LIMAソファは窓辺に配置されています。革本来の色は薄い飴色ですが、紫外線に当たることで白っぽく変化しています。革のタンニンが抜けるとこのような状態になります。
ヌメ革を育てる
ヌメ革特有の変化ですが、よく使う部分は濃い色に、あまり使わない部分は薄い飴色のままと、使う人によってソファの表情が変わっていきます。
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H様のソファも、年月を刻んだ存在になりました。 ご夫婦がゆっくりとくつろぐ場所として、または幼い頃からこの場所で過ごしてきたお子さん二人のおかげで、良い革の雰囲気になりました。
革の表面の汚れを落とす
さて、メンテナンスを開始します。
まずは、水拭きを行います。硬く絞った濡れタオルで、表面を拭きます。
水拭きをすることで、ソファに付いている表面の汚れが取れていきます。
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タオルに色がついているのは、日頃付いている汚れです。 革の繊維に入り込んだ汚れは取ることができませんが、表面の汚れは水拭きでしっかり取っていきます。
革を保湿する、メンテナンスオイル
【使用アイテム:メンテナンスオイル】
次にメンテナンスオイルで、革を保湿します。(水拭き後、革の表面が乾いた後に行ってください。)
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タオルにオイルをしっかり伸ばし、薄く広く塗ります。 オイルを1箇所に塗りすぎると、そこだけ濃くなりシミ跡のようになるので注意が必要です。 また、紫外線が当たり、乾燥しているソファの背面は少し多めに塗りました。
革を強くする、蜜蝋ワックス
【使用アイテム:蜜蝋ワックス】
最後に、蜜蝋ワックスで革をコーティングします。(オイルが乾いた後、行ってください。)
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専用のスポンジにワックスを取り、薄く広く塗ります。ワックスの伸びが悪いなと思ったら、ワックスが固まっている場所を再度スポンジで伸ばしてください。
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メンテナンスオイルと同様にソファ全体に塗ってください。
その後、ワックスが乾いたら、お手入れ完了です。(翌日までに表面がベタついている場合は、ワックスの塗りすぎです。空拭きで、拭き取りをお願いします。)
このお手入れを半年に1度行っていただければ、良い革の状態が続き、より長く使ってもらうことができます。
H様宅のヌメ革のソファは、日常的に家族にたくさんソファを使って頂いている様子が伺えました。丈夫なヌメ革ですので、お手入れを行いながら、今後もご愛用頂ければ嬉しく思います。
この度はメンテナンス取材のご協力をありがとうございました。