8年前にお届けしたLIFE(ライフ)ソファをご愛用いただいているH様のご自宅へ、メンテナンスのために伺いました。 お使い頂いているのは、3P片肘+右カウチのタイプで革はオイルレザー(KW21)です。
8年分の汚れや傷は、革ならではの味わい
オイルレザーの一部は色褪せており、座面のフェザークッションにはしわができ、クタッとした印象があります。
特に、ご主人がいつも座ったり寝転がったりする場所では、フェザーのクッションが大きく凹んでいます。このように同じ場所で長時間座り続けると、クッションが変形することがあります。 また、2匹の猫と一緒に暮らしているため、革には引っかき傷が多く見られます。購入されてからオイルメンテナンスを一度も行っていないそうなので、革の乾燥も目立ち、その分引っかき傷も目立ちました。
今回のお手入れはこちらを行います。 ・座面のクッションの交換 ・水拭き(汚れ落とし) ・オイルメンテナンス(保湿) ・蜜蝋ワックス(コーティング)
中材のクッション交換
それでは、ソファのお手入れを開始します。 最初に、クッションの中材を交換します。 LIFEのソファは、座面のクッションを取り外すことが可能で、革もマジックテープで留めているため、手軽に外すことができます。
座面のクッションを交換することで、お届け時のふくらみが戻りました。写真の中央部分にはシワが入り、革が伸びていることが分かります。これは、よく使われた(凹んでいた)エリアです。伸びは元に戻りませんが、他の場所を使うようになれば、全体にシワが入り、良いフェザークッションの雰囲気が生まれると思います。
表面の汚れを取る
次に、革の表面を水拭きします。硬く絞った濡れタオルを使用し、全体を優しく拭き取ります。
頻繁に触れる部分では、黒すみや水シミなどの汚れが目立ちます。
輪染みになっている箇所は、通常よりも多めに水を含ませて優しく拭き取ります。これにより、汚れの完全な取り除きは難しいかもしれませんが、馴染ませることで目立ちにくくなります。一度では馴染まないこともありますので、日を改めて、何度か繰り返すとより良い状態になります。
乾燥している革に油分を加える
その後、KOKOROISHI専用メンテナンスオイルで革を保湿します(革が完全に乾いた後に行ってください)。
オイルを十分に含ませたタオルを使い、オイルを均等に広げます。 そして、革の表面にオイルを薄く広く塗布します。
使用頻度の高い場所や紫外線に当たっていた部分は、他の場所に比べオイルが抜けている可能性があります。そのため、これらの部分には他の部分よりも少し多めにオイルを塗布しました。 8年分のメンテナンスを行うため、通常よりも多めのオイルを使用し、500mlのオイルボトルの約半分を使いました。
革を強くする、蜜蝋ワックス
最後に蜜蝋ワックスで革の表面をコーティングします。
専用のスポンジに適量のワックスを取り、くるくると回しながら表面に均等に塗布します。ワックスが固まっている箇所があれば、その部分を丁寧に伸ばすようにしてください。 このワックスの役割は、革の表面をコーティングして保護することです。膜を形成することで、革が守られ、長い間使用することができます。革が乾燥していたため、ワックスも通常よりも多めに使用しました。おおよそ半分の量を使い、しっかりと表面がコーティングされました。
これで今回のメンテナンスは完了です。 革の色が全体的に濃くなっているのは、革にオイルが染み込んだ証拠です。これはいわゆる「濡れ色」と呼ばれ、乾燥したら元の色に戻ります。
シミ跡も、ぼんやりとですが馴染んでいます。今後は、シミができてしまったら、水拭きで馴染ませてもらえると、よりシミ跡が分かりにくくなります。ぜひ、お試しください。
乾燥していたオイルレザーが、オイルメンテナンスとワックスのお手入れにより、しっとりとハリのある革に生まれ変わりました。これでまた、快適に使って頂けそうです。 これからも長くお手入れを続けながら、ソファで過ごす時間をお楽しみください。 この度はメンテナンス訪問にご協力いただき、ありがとうございました。