弊社製品の革ラインナップに「RW(顔料仕上げ)」が新たに加わりました。
詳細はこちらのページよりご覧に頂けます。
受注開始日:2024年7月1日(月)~
価格:MO・KZランク
※KOKOROISHI直営店(東京・神宮前SHOP / 広島・本社SHOP)では、先行して受注を開始しております。
【RW ~鹿児島育ちの和牛革 手塗りで革らしい表情を~】
鹿児島育ちの黒毛和牛の革です。クロム鞣し後に顔料で塗装し、塗料を手で塗り込むことで革らしい表情を持たせています。厚い銀層ともちもちした触感が特徴で、型押しではなくシュリンク仕上げです。難しい鞣しを熟練タンナーが行い、良質な革に仕上げました。ウレタンコーティングした表面は、お手入れは基本的に不要です。明るい部屋で使用しても、色は褪せにくく汚れにくいです。MIGIWA 187フラット / 革:RW613
※東京・神宮前SHOPにて展示しております。
開発物語~OUR STORY~
RWは、2018年に鹿児島で設立された(株)隆光産業 との共同開発にて製作させて頂きました。今までソファの革としては加工されてこなかった黒毛和牛ですが、なぜソファの革としての開発を始めたのか、隆光産業さんにお伺いしました。
〜なぜ黒毛和牛原皮を革に?~
日本国内で肥育されている牛は、大別して和牛(食肉用)、ホルスタイン種(乳用牛)に分かれます。和牛の90%以上が「黒毛和牛」ですが、乳用牛と交配させた「交雑種」も含まれます。
その交雑種が、良質な革の原料(原皮)なのです。しかし、牛乳等の消費量低下などで、ホルスタイン種が減少している為交雑種も減少傾向で、良質な原皮の供給量が減少傾向となっています。
たくさん飼育されている黒毛和牛なのに、これまでは良質な革には加工されてきませんでした。その理由は、黒毛和牛に多く含まれる「サシ」と呼ばれる脂肪、いわゆる霜降りの肉質です。
霜降りの脂は、食用としては美味しくて魅力的なのですが、革に鞣す場合にはこの脂が非常に加工を難しくします。
そこで、安定的に供給できる和牛を、なんとか良質な革にしていこうと、技術のあるタンナー(革工場)と協力してこの問題の解決に挑戦しました。
それにより、ホルスタイン種や交雑種には出せない風合いや、もっちりとしたタッチ感などを、この和牛の革で実現することができました。
これまでに靴、鞄、革小物などの製品に、和牛の革を使用してきましたが、よりこの革の質感を知ってもらう為に、肌で感じられるソファ用の革を研究しました。
〜ソファ用の革にするこだわりや苦労話~
これまで、黒毛和牛の革を使って靴や鞄や革小物などの製品に携わってきました。これらの製品では、小さいパーツでの裁断をする事が多いので、歩留まりは問題視されませんでしたが、ソファ用の革はパーツが大きいため、傷の多い革は使ってもらえません。
※↑こちらの画像はRWではありません。
そこで、最初の原皮の状態で、大きさやキズの有無などの検品を行い、さらに鞣し加工の途中段階(ウエットブルー)での検品も行うことにしました。傷の少ない、かつ、堅牢性もある原皮を選別していく作業は大変です。さらに、耐摩耗性、染色堅ろう度などを保ちつつ、和牛の特徴も残し雰囲気を壊さないように仕上げる事が難しい所でした。
~黒毛和牛の良さとは~
和牛の革の良さは、ホルスタインに比べて銀面(革の表面の緻密な部分)が厚く、革らしい風合いや、経年変化した時の雰囲気が生まれます。
その特徴をよく理解したタンナーさんに協力を頼むことで、和牛の革の良さと耐久性を兼ね備えたRWレザーが誕生しました。