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こだわりある狭小住宅のご自宅へ別注ソファをお届けしました。 階段を上がると木の香りがほんのりと感じ、Kさん家族が暮らす明るいリビングダイニングがあります。 縦長に広がるリビング。その窓辺に290cmの大きなソファがすぽっとはまっているのは、特注ソファHILL(ヒル)です。
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特注ソファの設計
今回特注サイズで制作したのは、ラインナップにあるHILL(ヒル)です。
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脚のフレームを外し、2階階段でも搬入できるようにソファを2個に分割しました。また、家族みんなでくつろげるように、肘巾を狭くし座面は広めにサイズ別注しています。(通常サイズから5cm狭く設計)
造作ソファに向いているソファHILL
HILL(ヒル)は造作台の上にソファを設置するには向いているモデルです。その理由の一つは、座面がフラットでバネが入っていること。住宅の造作台の場合、造作台は角度がついていなく、座面が平らな場合が多いです。その上に、ウレタンのみの座クッションを置くと、お尻が前すべりし、座り心地が悪く感じます。(布であると比較的和らぎますが、革の場合は特にそう感じるケースが多いです。) HILLはエアウイーヴという三次元バネが入っているので、滑りにくくなります。
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薄い座クッションでも心地良いい理由
もう一つは、座面の薄さです。
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造作ソファの場合、台の高さの制限がよくあります。台の高さ+ソファの座面の厚み=座面の高さ(一般的にはSH380~420mm)になります。下の台部分を収納にするケースが多く、高く設定します。そうすると座面は薄くなりがちですが、ウレタンを薄くすればするほど、座り心地が悪くなってしまうのです。 木枠の中にウレタンとバネを落とし込んでいるHILL(ヒル)は、比較的座の下の高さが調整しやすいのです。 K様のご自宅は造作台の一部は1Fの階段の天井になっています。そのスペースを隠すためにこの造作台ができました。それをソファの台として有効活用するプランは素晴らしいですね。
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Kさんがソファ選びにこだわった訳
10年以上前に椅子研究科、東海大学の織田憲嗣さんのご自宅にお邪魔した時、「10万円の予算で、どんなソファを買ったらいいか、ではなく、10万円を頭金にして、良いソファを買いなさい。」と言われたことをずっと覚えていたそうです。「安いソファはすぐ悪くなるだろう。であれば良い椅子、ソファを購入しよう。」とKさんはそう考えました。「引っ越しで次の家になったときも使いたかったから、なかなかソファが買えなかった。」とおっしゃっていました。 Kさんが弊社を選んでもらった理由の一つとして、住宅のプランニング段階で相談できることだったそうです。お届けの1年ほど前から、図面をメールでやり取りをし、ソファ土台の高さや、どんなソファにするか打ち合わせを進めました。店舗にも何度か足を運んでもらい、座り心地の確認や張り地を決められました。
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使っていくうちに馴染んでいく革
数ヶ月使用し、ソファの革には、艶やシワがでてきています。お子さんが、ゲームする時にくつろぎ、ご主人が朝まで寝ていることもあるそう。Kさんは在宅勤務が増え、休憩の時にちょっと一息する場所がソファになったとのこと。
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「革の傷が、ちょっとずつ付き始めました。でも、これも良いなぁと思いながら使っています。」とおっしゃるKさん。家族が過ごした形跡が残っていることも、微笑ましいですね。
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お気に入りの椅子も一緒に
栃木レザーの厚革で制作した、HABENA20(ハベナ20)もお届けしました。背中を支えてくれる革を気にいってもらえているご様子。
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家造りも思い出の一つ
床はご夫婦で蜜蝋ワックスを塗り、キッチンの一部のタイルは子どもたちと一緒に貼ったそうです。
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から松の無垢フローリングも、収納に使われているシナ合板も経年変化していきます。素材によって、色が変わったりする様子も色々ですが、使っていくことで風合いが増すことは楽しみの一つですね。
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Kさんが目指した住まいは、ちいさくてもゆたかに暮らすこと、住む人誰もが心地よいと思えるそんな家でした。10年後、20年後も楽しく暮らしている姿が目に浮かびますね。
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