「子供たちに、いいものを知ってほしい。使って欲しい。多少の傷や色褪せは、経年変化として楽しむ。ずっと使っていても、安心して心地よく座れるソファを選びたかった。」
そう話すのは、北千住にお住まいのO様。普段は大型店舗の設計を手がける建築士で、その経験から自宅マンションの共有スペースのリノベーションを任されたそうです。
「子供たちにとって快適な場所にしたい、そのうえでマンションの資産価値に貢献する空間にしたかった」、そう話すO様にお話を伺ってきました。
中高生の子供たちが自由に活用できる、第三の居場所
マンションが竣工して、早12年。このスペースにはミニコンビニがありましたが、住民の反対もあってすぐに姿を消したそうです。その後は自販機コーナーとイートインスペースとして、10年ほど放置されていたそうです。
「いろいろな用途に使える多目的スペースは、結局のところ、無目的なスペースになりがちです。この10年ほどは、あまり人も集まらず、寂しい空間になっていたように思います。」
「竣工当時、まだ幼かった子どもたちも今や中学生、高校生になりました。総戸数500以上のこのマンションの人口ピラミッドの構成も大きく変わりました。今回のタイミングでリノベーションするのであれば、利用者のメインターゲットは子供たちにするべきだと考えました。」
現代の三種の神器は「電源とwifiとコーヒー」。家でもなく学校でもない第三の居場所で、集中して読書したり勉強する。利用する目的も、利用する時間も、個人のライフスタイルに合わせて使って欲しい、とO様は話します。
リモートワークが定着しつつある昨今、徒歩0分でアクセスできるこのスペースは、大人にとっても活用しやすいのは間違いなさそうです。
子供たちには、いいものを知って欲しい、使って欲しい
高価なインテリアを設置するのであれば、子供たちの出入りは制限すべきだ。アンケートには、そんな声もあったようです。確かに、高価なインテリアを購入しても、やんちゃな子供たちが乱暴に扱ってしまうんじゃないかと心配するのもわかります。
「しかし、私個人としては、子供にもわかってもらえるような良いものを選びたいと思っていました。使用中に多少の傷がつくのは仕方ありません。むしろ、それを経年変化の一つとして、子供たちと一緒に見届けていきたいなと思っています。」
「逆に、ハイスツールやテーブルは、天板を交換できるようなものを選びました。壊れてしまっても、一部を取り換えるだけで再度使えるものを、デザイン性やコストパフォーマンスの点から選びました。」
設計図の中で描いたソファ、時代を超えるスタンダードなソファ
「設計図の中に描いていたのは、レンガの壁を背にどーんと構える4メートル幅の長いソファ。クラシックなモデルで、革の色はキャメル系。ソファ屋をハシゴする中で、設計図で描いたソファそのものを、心石工芸のショップで見つけました。」
O様に選んでいただいたのは、インテリアデザイナーの川崎文男さんがデザインを手掛けた「Blooklyn(ブルックリン)」。「せっかく長い間使えるソファなのに、見た目が古臭くなったと感じられたら駄目だね。」ということで、時代を超えてスタンダードになるソファを、一緒に考えて製品化したモデルです。子供たちが多少ハードに使っても、問題ありません。
限られたスペースでもゆったり座れる「FINA」
住民から要望のあった応接室も、ラウンジに続く形でデザインしました。限られたスペース内で落ち着いて話ができるようにと、様々な工夫が施されています。リノベーションの結果、元が何の部屋だったかわからないほど完璧に、そして自然な仕上がりになっています。
ここで選んでいただいたソファは「FINA(フィナ)」。コンパクトなサイズ感ながら、広い座面、柔らかい座り心地でゆったり座れます。あまりオープンに聞かれたくない、そんな話をしたいときにはもってこいで、仕事でも重宝されることでしょう。ネットで予約できるそうです。
マンションの資産価値をあげるために
専属のゆるキャラがいる。テーマソングがある。そんなマンションって、結構珍しいのではないでしょうか。
「自分たちの住まいの資産価値を上げる、という方針が理事会を通じて住民に浸透している点が特徴的だと思います。」と、O様は話します。
空きのある駐車場を外部に貸し出してビジネスにしたり、週に2回は外の広場にキッチンカーを呼んだり。このマンションでは、住まいという資産を運用し、住人に還元するスタイルを続けてきているそうです。今回のリノベーションも「資産価値を上げる」という視点を大前提にコンセプトや仕様を考えてデザインされています。
「住民に賛同してもらえるよう、計画の進捗をLINEグループで共有したり、3DCGでビジュアライズしたものを、エントランスのディスプレイに表示するなど、進め方にも気をつけました。」と、O様。
KOKOROISHIのソファが、マンションの資産価値向上の一助となりますように。また、趣味や勉強に集中する子供たちに、快適な場所になりますように。お忙しいところありがとうございました。