「革ソファのお手入れってどうしたらいいんだろう?」 そんな疑問を持ったことはありませんか。実際にKOKOROISHIの革張りソファを使っているご自宅におじゃまさせていただきました。お手入れ道具を携えて、KOKOROISHIメンテナンス隊、LET’S GO GO。
4年前にお届けしたUTSUROIソファのメンテナンスに伺いました。
たくさん使って頂いている様子で、シミ跡や汚れが見られますね。
こちらのシミはボールペンの跡。
はじめは線で書いたような跡だったそうなのですが、落とそうとしてクリーナーを使ったところ、段々とシミ跡が広がって今の状態になったそうです。革の繊維の中に染み込んでしまうと、きれいに取り除くことはできません。ボールペンはそのまま使ってもらうのが一番良いと思います。
そして一番気になっている、こちらの色むら。
これは水の染み込んだ跡ですね。
お話を伺うと、娘さんたちが、お風呂上がりでくつろぐ際、床に座ってソファにもたれかかるそう。その濡れた髪の跡だそうです。
広い範囲で水のシミ跡ができていますね。
水に溶け込んだ染料は、蒸発する水と一緒に濡れた範囲の縁に寄っていきます。そのまま染料がその縁周辺に残るので、色が薄くなった周りは染料が偏って濃くなります。そうなるので、余計、目立ってしまうのです。
この解消法は、「水拭きを繰り返すこと」です。水拭きすることで、革全体に水が染み込み、偏った染料がもとに戻ってきます。水拭きはクッション全体を行ってください。一箇所に集中すると、その縁がまた濃くなってしまいますので。また、時間を置いて何度も繰り返すことが重要です。一度にたっぷり水を染み込ませると、革が固くなってしまい、革が傷む原因にもなります。(水拭き後は必ず、オイルを塗ることが必要です。)
水拭きも一度目なので、あまり替わり映えしませんが、何度か繰り返すことで確実に目立たなくなってきますよ。
座クッションのフェザーが偏っていたので、少しお直しをしましょう。
使っていくうちにどうしても、フェザーが前によってしまうので、元の位置に戻します。
向かって右側が偏ったフェザーを直しました。左側は直す前です。
偏ったフェザーを直すと同時に、フェザーに空気を入れたのでふっくらしましたね。普段のお手入れ方法は、そのままの状態(革のカバーをした)でいいので、偏ったフェザーをもとに戻すように、座クッションを床の上に立て、トントンと床に打ち付け、偏りを戻してあげてください。そうすることで、型崩れせず、見た目を維持したままより長く使ってもらえますよ。
さぁ、お手入れ開始です。
まずは乾拭きしてホコリを取ります。
次に、水拭きです。最初は軽く拭いて、革の表面に付いている汚れを取ります。
その後で、やや固く絞ったタオルで水跡のむらをなじませましょう。表面の汚れを取らないまま革を濡らすと、汚れが革に染み込んでしまいます。
そして、マルセイユ石鹸で洗います。
しっかり泡立て、泡で優しく洗いましょう。この時に、スポンジを革に押し付けないことがポイントです。スポンジ側に移った汚れを、革に押し戻さないためです。
その後、タオルで泡を拭き取りましょう。表面の汚れが落ちます。
洗った跡の様子です。
やはりボールペンのシミ跡はほとんど取れませんでした。
一旦、乾かします。夏場で2~3時間おいてください。
今日は「石鹸で洗う」までの工程を行いました。表面が乾いたらKOKOROISHI専用オイルを塗ってくださいね。加えて蜜蝋WAXを使うと、蜜蝋の膜ができて水が染み込むのを遅らせることができます。ぜひ使ってくださいね。
汚れや水シミ跡は、すぐに効果がわかるほどの見栄えにはなりませんでしたが、繰り返すことで変化が見られますので。
キッチンからリビングを眺めた様子。
ソファの背が低い所を気に入っていただきました。縦に長いリビングなので、ソファがリビングとキッチンを間仕切らないようにと、選んでいただいた理由の一つだそうです。お部屋の全体が見渡せるので、広く奥行きを感じるリビングになっていますね。
これからも末永くご愛用ください。